漢方内科
心と体の深呼吸

  東洋医学には「未病」という概念があります。

自覚症状はあるのに西洋医学的異常がない状態を指し、
正常から異常への移行状態も、ここでは病気として捉えます。

例えば、女性特有の冷え症や更年期障害、
虚弱体質によっておこる不調や体力低下、
年齢を重ねることによって発生する様々な症状、
自覚症状しかみられないあちこちの痛み、
原因のはっきりしない不快な状態などです。

不調の波を感じたら嵐になる前に
心身の下り坂をそこでストップさせ引き戻す


未病の段階で先手を打てるのが漢方の特徴です。

漢方療法には、おひとりおひとりに合ったメニューで
体質を改善して、体の中からきれいになっていく
「養生法」がたくさん詰まっているのです。  


漢方療法の診察について
診察法は四診と呼ばれ、「望診」「聞診」「問診」「切診」の 
4種類の方法があり、それらを組み合わせて漢方医学の 
診断名である「証」を決定します。
具体的には脈の強さ(脈診)や舌の状態(舌診)を観察しますが、
とりわけ重要なのは、お腹の状態(腹診)を診ることです。
腹診は、頭痛や肩こりなどお腹に直接関係ない症状であっても
必ず行います。何故ならお腹には心や体の情報がたくさん
詰まっているからです。更に腹診は、治療の原点とも言える
「手当て」も同時に行っています。体調不良の方々にとっては、
体に温かみのある手を当てられることで、安心感が生まれます。
当院では 東洋医学の「腹診」と西洋医学の腹部触診法を
融合させる独自の診察法で心と体の状態を診断して、
その人に最もふさわしい漢方処方を提案いたします。
 

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漢方内科

Q 漢方薬と西洋薬との違いは何でしょうか?
  A 西洋薬はひとつの症状や病気に効果の的を絞った薬なので、
同じ病気なら誰でも同じような治療になるケースが殆どなのに対して、
漢方薬はひとつの薬の中に複数の構成成分が含まれているため、
同じ病気や症状でも個々の体質によって使われるお薬が異なります。
また漢方薬はひとつの薬が多種多彩な効果を持ち合わせた薬なので、
ひとつの薬の服用で同時に複数の症状が改善することが期待できます。
例えば便秘の改善目的で内服したら、生理不順も肩こりもよくなったとか、
頭痛改善目的で内服したら、めまいや冷えも感じなくなったなどの場合です。
この様に漢方薬は全身に作用してその人の持つ自然治癒力を高める薬です。
   
Q 漢方薬は西洋薬と併用しても大丈夫ですか?
   A. 多くの場合は問題ありません。むしろ併用によって 
主症状だけでなく随伴症状も同時に解消することもあり、
合併症の予防にも効果が認められる場合もあります。
更に、抗生物質と漢方薬は相性がよいことが多く、また
ステロイド剤と柴胡剤は最も効果的な併用例と言えます。
しかし、中にはとても相性が悪い組み合わせもあります。
症状が悪化したり、重大な副作用が発生する危険もあり、
常用薬がある場合は受診時に予めお知らせください。
   
Q 病院で処方してもらった漢方薬と同じ名前の薬がドラッグストアにもありました。
  受診するのも面倒なので次からは薬局の市販薬に切り替えてもいいでしょうか?
  A 最近では医薬品と同じ名前の市販の漢方薬が薬局で購入できるようになりました。
ところが同じ名前の漢方薬でもこの両者の有効成分量にはかなりの差があります。
病院の処方薬と比べて市販のものではその有効成分量が50〜60%とかなり少なく
効果も弱く設定されています。その上、実費購入のため単価が高くつきます。
病院処方では健康保険が適用されるため、費用は自己負担分(1〜3割)ですむので、
市販薬で済ますと、効果の弱いものをかなり高い値段で購入することになります。
長期的に服薬する場合はその差も大きく、また状態の変化で薬の種類を
変更する場合もよくありますので、漢方医療に詳しい医療機関で継続しましょう。
   
Q 漢方薬は服用してからどれくらいで効果が出始めますか?
   A. 漢方薬はしばらく飲み続けないと効果が期待できないと
思われがちですがとんでもありません。内容によっては
10分もしないうちに劇的に改善するものすらあります。
もっともこれは急性の症状の場合であって、長い間に
慢性的に患ってきた症状や体質改善を目的とした場合の
効果発現のためには2〜4週間の継続服用が必要です。
効き目が現れ始めますと、その状態を安定させる期間が
更に必要となりますので、焦らず根気よく飲み続けましょう。
   
Q 私は今40歳で生理も順調なのですが、最近とても疲れやすくて年を感じています。
  漢方薬で年齢的な衰えを緩やかにすることはできますか?
  A 人の体の中には「気」の貯蓄分とも言える「精」というエネルギーの蓄えがあります。
この「精」は加齢とともに次第に減っていきますが、30〜40歳代であれば
食事のあり方や悪い生活習慣を見直すことで、減る量を抑えることができます。
また漢方薬でその不足分を補えば、「精」の蓄えを一旦増やすことも可能です。
東洋医学では「老化」はまず月経と性機能に表れると考えますので、生理などの
性機能にこれといった変化が現れる前のライフスタイルがとても大切になります。
つまり30〜40歳前半の過ごし方次第で、老化が進むスピードが変わってきます。
漢方にはアンチエイジングに効果が期待できるお薬がたくさんあります。
「年だから疲れるのはしょうがない」などと言わず早い時期から漢方で養生すれば、
加齢という下り坂をできるだけ緩やかなスピードで下りていくことができます。
   
Q 漢方薬の効果が最大限に引き出せる飲み方を教えてください。
   A. 当院ではすべて服薬しやすいエキス剤で処方しております。
そのまま通常の粉薬のように水で一気に飲んでもよいのですが、
エキス剤はインスタントコーヒーのような抽出物ですので 、
できれば「温服」、つまり湯に溶かしたものを適度に冷ましてから
飲むのが最も効果的です。お湯に溶くことで有効成分が溶け出して
本来の煎じ薬に近い状態となり、吸収も早く効果が高まります。
これは「〜〜湯」と命名されたものの全てに当てはまりますし、
特に「冷え症」の治療効果には差が出ますので是非お試しください。
但し例外もあります。嘔気の強い時や喉の痛みに対する治療では
むしろ湯に溶かした後に冷やして服用する「冷服」の方が効果的です。
また、「〜〜丸」や「〜〜散」は溶かさず服薬(五苓散は例外)し、
「〜〜飲」は湯に溶いて少量ずつ時間を掛けて服薬した方がよいです。
また服薬どきは最大の効果を引き出すなら空腹時ですが、食後でも
さほど問題はなく、胃に響く様は時はむしろ食後に服用してください。
ただ他にも併用薬がある場合には、同時は良くないものもありますので
その場合は必ず医師や薬剤師から服薬指導を受けてください。


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