乳腺内科
乳癌の早期発見は医師の視触診が基本
閉経まではエコー、閉経したらマンモの併用が最適

 
乳房の状態は年代によって変化していくもの

特に妊娠授乳期には最も乳腺が発達して乳房全体が劇的に大きくなります。
30歳代後半にもなると、それまで活発だった乳腺細胞が徐々に減り始め、
脂肪に置き換わっていきます。そのため外見上の悩みも尽きなくなってきますが、
同時にこの頃から乳房の張りや痛みが気になり始め、病気も増えてきます。
しこりは乳癌よりも乳腺症や乳腺繊維腺腫のことの方が多くみられますが、
安易な自己診断は禁物です。異変に気づいたら早めに乳腺科を受診しましょう。

乳癌の早期発見には定期的な自己触診がとても大事ですが
しこりが2cm未満のもの(早期癌)は自分では見つけにくいので過信は禁物です。

診断には医師による視触診が基本ですが
異常を疑った時や定期検診として併用すべき検査法には
@乳房超音波(乳腺エコー)検査とAマンモグラフィー(MMG)があります。



@乳房超音波検査(エコー:US)

 
乳腺超音波検査はX線を使用しないので、妊娠中の人でも検査可能です。
ベッドに横になって片手を上げ、手を上げている方の胸に超音波をあてて、
はね返ってくる超音波(エコー)を画像化して異常がないかを調べます。
マンモグラフィーでははっきりと写らない「しこり」でも、乳腺エコー検査では、
その大きさや位置を立体的に描出でき、その良悪性の鑑別に有用です。
検査時間は通常5〜10分程度です。


A乳房X線検査(マンモグラフィー:MMG)

乳房をプラスチックの板で挟んで平たくし、専用のX線装置で乳房全体を撮影します。
基本的に40歳代までは乳腺密度が高いため上下からと斜めからの2方向で、
50歳以上では斜めからの1方向のみで撮影されます。医師の触診や自己触診では
発見できない「しこり」や、石灰化のある小さな乳がんの発見に適しています。
優れた検査方法ですが、若くて乳腺が発達している年代では、X線の特性上、
乳癌を描出しにくい場合が多いので不向きです。検査時間は通常5〜10分程度です。





両者ともに視触診だけでは発見できない「しこり」の検出に優れています。
MMGでは存在診断(何かがあるという発見)に、
エコーでは質的診断(良性か悪性かの区別)に力を発揮します。
2つとも併用するのがベターですが両者には年代によって優劣の特徴があります。

年代別乳癌検診のポイント




乳房の状態と今後のリスクを確認

乳房の状態を把握するため、特に血縁に乳癌の方がいるなどでリスクが高い場合は
一度は医師と相談しましょう。医師による視触診やエコー検査を受けることで
自分の乳房の状態を知り、乳癌のリスクや発症しやすい生活習慣などをしっかりチェックしておきましょう。


アラサーはエコー、35歳を過ぎたらマンモが基本

30代での出産や授乳歴がある方は医師の視触診とエコー検査を組み合わせた検診がベストです。
日本人女性の乳癌は30代で発症することも少なくありませんので
特に授乳経験のない方は30代でもマンモグラフィー検査を積極的に受けましょう。


年1回のマンモグラフィー(+エコー)で定期検診を

日本人女性の乳癌発症のピークは40代です。"乳癌適齢期"を自覚し、
医師の視触診に加えて年1回のマンモグラフィーと、必要に応じてエコーも積極的に受けてください。


閉経前後も忘れずに年1回のマンモグラフィー検診を

40代と同じく乳癌発症率が高い年代。更年期世代では女性ホルモンの変動があるため、
乳腺の状態も変わりやすい時期なので、医師の視触診に加えて年1回のマンモグラフィーを
必ず受けましょう。更年期障害の不調で受けるのを忘れてしまう方も少なくありませんが、
閉経後の肥満悪化は特に発癌リスクが高いので、受診を忘れないようにご注意ください。


1年に1回のマンモグラフィー検査を

乳腺組織が萎縮し脂肪に置き変わるため、乳房の状態はマンモグラフィーで非常に見えやすくなります。
1年に1回、マンモグラフィー検査を受けましょう。70代からは乳がんのリスクもかなり低くなってきます。



乳癌検診の年代別ポイントを知った上で、積極的に定期検診を受けましょう。

 ・ 20代 → 医師の視触診 +乳腺エコー
 ・ 30代(授乳歴あり) → 医師の視触診 +乳腺エコー(+MMG)
 ・ 30代(授乳歴なし) → 医師の視触診 +MMG +乳腺エコー
 ・ 40歳〜閉経まで → 医師の視触診 +MMG(+乳腺エコー)
 ・ 閉経以降 → 医師の視触診 +MMG



乳腺の主な良性疾患

乳房内石灰化

乳房内には様々な形の石灰化が見られることがよくあります。自覚症状はありません。
石灰化の大部分は良性の変化によるもので、石灰化を伴う乳がんとは区別できます。
良性の石灰化とは単に乳腺の一部にカルシウムが沈着しただけのものであり、これが
乳癌に変わる ことはありません。マンモでは白い点状または線状として描出されます。
小さな石灰化では、一度指摘されたものが次の検査では消えていることもよくあります。

乳腺症

乳房の病気の中で最もよく見られる疾患です。自覚症状は、痛み・しこり・張る感じなど
多彩です。厳密には病気ではなく、女性ホルモンのバランスの乱れから、乳腺組織の
一部に変化が生じることで症状が現れますが、癌とは無関係で治療も特に不要です。
生理前にしこりの張りや痛みが強まり、月経周期と症状が連動することが特徴的です。

嚢胞

乳腺症の一つで比較的よく見られる疾患です。のう胞は乳腺に限らず肝臓や腎臓など
様々な臓器に発生する病態です。乳管の一部が袋状に膨らみ、中に水が溜まります。
乳腺症と同様に、生理前にしこりが張ったり、痛みが強まったりするのが特徴ですが、
多くは無症状で、超音波検査で偶然に発見されます。特に治療の必要はありません。
閉経後は次第に小さくなっていき、60歳を過ぎる頃には消えて描出されなくなります。

乳腺炎

授乳期や陥没乳頭がある方に起こりやすい病気です。自覚症状は乳房の腫れ、痛み、
発熱、乳房皮膚の発赤などの炎症症状です。乳汁が貯留したり乳頭が傷ついたりして、
乳頭から乳管内に細菌が侵入して炎症を引き起こします。抗生剤で治療しますが、
膿が溜まってしまった場合は、皮膚を切開して排膿しないと良くならないこともあります。
中年女性が数回の乳腺炎を繰り返す時は稀ですが「炎症性乳がん」のことがあります。

線維腺腫

乳腺の良性腫瘍で最も良く見られる病気です。自覚症状は「硬いしこりが触れる」です。
若い世代に多く、グリグリとよく動く無痛の丸いしこりが特徴で、多発する事もあります。
2cm以上になることは少なく治療の必要はありません。癌に変化することもありません。

葉状腫瘍

線維腺腫とよく似ています。こちらは中高年女性に見られ、自覚症状はしこりだけです。
無痛性のしこりが数ヶ月で急速に大きくなるのが特徴です。。基本的には良性ですが
悪性のこともあり、一般的にはまず手術で摘出します。その後の経過観察も必要です。

乳管内乳頭腫

良性の腫瘍で30〜50歳代に見られます。比較的太い乳管の中に発生します。小さくて
柔らかいので痛みや腫れを伴うことはなく無症状のことが多いですが、代表的な症状は
乳頭から血液が混じった分泌物が出ることです。1個だけや多発する場合など様々です。
悪性を疑う場合は手術的に切除することもあります。癌発生リスクがやや高い疾患です。
 

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