PMS(月経前症候群)
気づかず悩んでいる女性も多い現代病

  生理前になると

「何かとイライラする」「気分が落ち込みやすい」
「体のあちこちが不調」「普段どおりに過ごせない」

でも生理が始まると嘘のように症状が消えて楽に感じる

多くの女性が、生理前に限定した何らかの不快な辛さを定期的に経験しています。

  身体的症状  精神的症状  行動異常
・むくみ、体重増加、脚が重い
・ニキビの悪化
・頭痛、肩こり、めまい、倦怠感
・乳房痛、乳房が張る
・腰痛、関節痛
・便秘、下腹痛、下腹部膨満感
・怒りやすい、攻撃的
・過緊張、パニック発作
・集中力低下、判断力低下
・憂鬱、無気力、疲労感
・不眠、悪夢を見る 
・不安感、妄想症
・いつもの通りのことができない
・仕事が出来ずに放棄してしまう
・甘いものばかり食べ過ぎてしまう
・理由もなく突然泣きたくなる
・過剰な睡眠欲にかられる
・女性であることが嫌になる

これらの不調は複数の症状が重なることが多いこと、また個人差があること、
同じ女性でも症状の現れ方が月によって変化することもあることから
月経前症候群(PMS:PremenstrualSyndrome)と呼ばれています。
月経前は誰もが多少体調が悪くなったりイライラしやすくなったりしますが、
それらの変化が極端で日常生活に支障をきたすレベルと判断されると、PMSと診断されます。

PMSは社会的にはあまり広く知られているとは言えず、男性はもとより
女性間でも認識にギャップがあるのが実態です。PMSに苦しめられている女性の
一番の敵は「無理解」であり、そのために自分がPMSであることに気づかない人がいることや、
周囲から「さぼり屋さん」とか「気分屋さん」などと認識されてしまうケースも見受けられます。



原因としては排卵後の女性ホルモンの激しい変動期(黄体期)に
何らかのストレス的誘因が加わることで発病すると考えられています。
私見ですが、体の不調はプロゲステロン(黄体ホルモン)の急激な増加が、
心の不調はエストロゲン(卵胞ホルモン)の急激な減少が主に関与しており、
その時期に何らかのストレスが誘因となって行動異常が現れると考えています。

PMSを上手に克服するためには、いつどんな症状が現われるかを
予め自分で察知しておくことが大切です。「生理前には不安定になる」と自覚しているだけで、
いくらか苦痛が小さくなりますし、必要以上に自分を責めなくなり気持ちも前向きになれます。
「今、生理前でイライラしてるの。ゴメンね」と予め周囲の人に知らせておくのも良い方法でしょう。

当院ではPMSの状態緩和のために、おひとりおひとりの女性に寄り添った形で
その方に最もふさわしい治療を提案いたしますのでお気軽にご相談ください。



q&a

Q 27歳の独身OLです。最近、生理が近づく頃になると決まってイライラが募り、
あちこちに八つ当たりをしてしまうことが増え、自己嫌悪に陥っています。
何かよい解決策があったら教えてください。

A 生理前になると、「イライラする」「気分が沈んでしまう」「体調が悪くなる」
といった症状は、女性の約80%の方が経験していると言われており、
このような生理前の時期に現れる様々な身体的・精神的苦痛を総じて、
月経前症候群(PMS)と言います。PMSの中でも特に
心の症状が重いタイプを月経前不快気分障害(PMDD)と呼んでいます。
卵巣から分泌される女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの
2種類があり、妊娠が成立しない限りは毎月周期的に変動しています。
生理前はこのエストロゲンの減少期であり、急激な低下に伴なって
様々な脳の神経物質も減少し、機能が低下するために気分の波が生じます。
例えばやる気を起こさせるドーパミン、幸福感や心を落ち着かせるセロトニン、
認知機能を高めるアセチルコリン、注意力や集中力を高めるノルアドレナリン
などの減少で、生理前には脳全体の活性が低下して、心身に不調の嵐が
起こりやすくなります。もちろん症状の出方や程度には個人差がありますし、
同じ人でもその時の体調や年齢でも感じ方は変化します。解決策として、
症状が強い方には漢方薬やアロマセラピーが症状緩和に高い効果があります。
更に重い症状の方は、OC(低用量ピル)で生理をコントロールして治療します。









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